日本のプールの多くは25mプールが大半です。
また競泳の大会が行われるような施設では長水路の50mプールもありますが、施設の大半はやはり25メートルが基準です。
尚、スポーツクラブ等では25メートルが敷地の大きさや設備の関係上設置できないケースも多く20メートルのプール多くあります。
しかしアメリカ合衆国では実は25ヤード単位のプールが一般的に定着しており、約23メートルの短水路プールでの競泳大会も実施されております。⇒ヤードのメートル換算表参照
また意外と知られているようで知られていない水泳の記録に100ヤード競泳の記録があります。
100ヤード?と聞くと驚かれる方も多いかもしれませんが、これもやはりアメリカで開催される大会の話です。
アメリカでは毎年、25ヤード短水路での競泳大会が開催されております。
もちろん種目は一般の競技同様、自由形、バック、ブレスト(平泳ぎ)、バタフライと全種目です。
ヤード・メートル・フィート換算表を参照として25ヤードをメートルに換算すると約23メートルに値しますので25ヤードプールは国際基準となっている短水路プールよりも更に距離が短い計算となります。
尚、25ヤード短水路プールを利用する100ヤード種目では、ターンを3回行い計100ヤードを泳ぐことになります。
水泳ではターン技術が勝敗に大きな影響を与える為、ターン技術が優秀な選手の中には100ヤード種目を最も得意としているアスリートも実際にたくさんいるのです。
短水路の水泳のポイントは、壁を使っての蹴りだしの加速が複数回得られる点にあります。
その為、前述したようにターンが得意な選手の場合は、短水路が得意で、逆にターンが苦手な選手には短水路で結果を出せないようなケースも出てきます。
一般的な短水路では25メートルである為、その長さよりも更に短い23メートルプールで競泳を行うには技術面や蹴りだしの筋力など、長水路のプールとは大きく異なる能力が求められることになります。
記録が安定して出しやすいと言われる50メートル単位のプールを得意とするアスリートの場合は、最高加速状態を終えやや速度が弱まる終盤に壁を利用し、再度、推進力を得られる利点があります。
しかし25ヤードの短水路では選手によってはMAX状態で再度ターンに移ることになるケースもある為、この距離の技術習得は大変難易度が高いと言われております。
かなり昔の話しになりますが2011年の1月17日に日本の北島康介選手が米カリフォルニア州ロングビーチで行われた25ヤード短水路プールで行われた100ヤード平泳ぎ種目において52秒23という記録をたたき出して優勝をした事があります。
尚、北島選手は100ヤードが行われた17日の前日である16日にも200ヤードの同種目を制しており2冠の達成となりました。
25ヤードプールで行われる200ヤード種目ともなるとターンの回数は実に7回のターンを行うことになります。
実際にこの距離で3回~7回ものターンを含む競技で2冠を達成するには洗練されたターン技術力は不可欠です。
この結果から北島選手のターン技術はまさにオリンピック金メダリストに恥じないハイクオリティーの技術力を保持していた事が証明されたとも言えるでしょう。
尚、オリンピック大会では当然、25ヤードプールを使用する競泳種目は実施されません。
距離や条件が微妙に違う大会にチャレンジすることも、選手にとっては新しい気づきや技術の習得にプラスに働いているのかもしれません。